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先輩!彼氏にしてください!
第6章 看病いたします
起きた時には、もうカーテンから光が漏れていて、びっくりして目を見開いた。
どんだけ寝たんだ、私。
学校から帰ってきて眠りについたのは確か夜の19時とかだったハズ。
寝ぼけ眼で首を回してベッドのそばの目覚まし時計を見たら、針が5時を指し示していて、目を大きく見開いた。
10時間……全く起きずに眠ったのなんか、いつぶりだろう。
何とか体を起こすと、少しだるさは残るものの、最初に比べればだいぶ良くなっていた。
そして、
「…………そうだった…」
ベッドの下、絨毯の上で転がる大きなヒョロ長い物体に、私は頭を抱えた。
その物体は紛れもなく谷川くんなわけで。
制服姿のまま、こちらを向いた状態で体を横に向け、すやすやと眠っている。
本当に、綺麗な顔。
寝ていれば天使……なんだけど。
ていうか、体痛くなりそうだけど、いつからこの体勢で寝ているんだろうか。
良く寝ているから起こすのを躊躇ったけど、やっぱり寝るならもう少しマシなところの方がいいだろうと思い、私は谷川くんを揺り動かした。
「……んん……」
「谷川く〜ん」
目を擦りながら、むにゃむにゃと口を動かした谷川くんは、まだ寝ぼけた様子でゆっくりと瞬きをすると、私の方を見てとびきりの笑顔になった。
「谷川くん?」
「ほのかせんぱい…だ…」
「…う、ん」
「ほんと、かわいぃなぁ………だいすきです…あいしてる……」
「……………分かったから、ほら!」
まるで子どもみたいに無邪気な表情に一瞬、ドキッとしかけて、それを正すように私は強めに谷川くんの体を叩いた。