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咲くのも、散るのも
第2章 花開くとき
「いてっ」

拓海はみぞおちを押さえて前かがみになった。

「う、息が…」

「大丈夫?ごめんなさい」

萌絵は慌てて拓海の顔をのぞき込んだ。

「なんてね」

拓海はいたずらそうに笑い、ほっとして隙を見せた瞬間の萌絵を再び抱きしめた。

「もう、びっくりするじゃない」

気を緩めた瞬間、拓海の匂いが鼻をくすぐった。

「ねえ、言ってよ、ちょっと美味しそうなくらい、いい匂いだって」

萌絵は目を閉じた。さざ波の音が遠くに聞こえるような気がした。

「あぁ、どうしよう、こんなはずじゃなかった。踏ん切りをつけたつもりだったのに」

拓海は萌絵を抱きすくめ、ため息とともにつぶやいた。
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