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咲くのも、散るのも
第2章 花開くとき
「私ね、気が付いたの。結婚している間、私の夫でいるのも達志だし、彼女といるのも達志、全部ひっくるめて、達志だったんだって」

「まあ、そうだね…二重生活というか」

「そういう意味じゃなくて。私を大事に思っているのも真実で、彼女を大事に思っているのも真実だった、ってこと。
私は騙されてきたと思い込んでいたけど、そうじゃなかった。
達志はいつも自分の本当の気持ちに正直なだけだったんじゃないかって」

「俺は、萌絵を好きだった。こんなこと言ったら嫌がられると思うけど、今も好きだ」

「そうよね。それが達志なのよね」

萌絵は思わず笑った。
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