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咲くのも、散るのも
第2章 花開くとき
「今日は達志に渡したいものがあって」

萌絵は、無垢材でできた小さな木箱と、刺繍の施されたカバーが付いた手のひらサイズのノートを達志に差し出した。

達志は、不安と期待で目をきょろきょろさせた。

「なに、これ」

「達志のよ。可愛い箱だから、私の荷物に紛れちゃったみたい」

木のふたを開けて達志は一瞬のけぞった。そのあと恥ずかしそうに笑いだした。
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