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ラストソング
第10章 旅立ち
半年ほど経った。

レコード会社との契約も終わり、
レンくんは、ソロアルバムを出すことが決まっていた。

そして、俺のバンドは、
深夜枠のテレビドラマの主題歌に採用され、
シングルを出すことになった。

サクラのお腹はかなり大きくなり、
ブログなどの更新は自宅からになっていた。


ライブハウスの出演は、
以前より減ったが、
厳選して出演するようになっていた。


月イチミーティングで、久々に事務所にメンバー全員が集まった時だった。

美和さんの顔色がとても悪くて、
椅子から立ち上がった時に貧血を起こしたようにいきなり倒れた。

レンくんが慌てて抱き止めて、なんとか頭とかを打たずに済んだ。
抱き抱えてソファに寝かせて、
誰かがキッチンの冷蔵庫からミネラルウォーターを取ってきたりして、美和さんが目を醒ますのを待っていた。


暫くすると、美和さんが白い顔のまま、目を開けた。

「ごめんなさい。あの、私…。
どうしちゃったのかな?」と言うと、
今度は、急にトイレに駆け込んでしまった。

フラつきながら出てうがいをして戻った美和さんに、
サクラが驚くべきことを口にした。


「美和さん、ひょっとして、
おめでたじゃないですか?」


「えっ?まさか?」


「ヤルこと、してれば、
そういうこともあるんじゃないですか?」と、
リョウが真顔で言った。


美和さんとレンくんが、顔を見合わせる。


「でも、私…」


「子供が出来ないんじゃなくて、出来難いって言われたんじゃなかったかな?」


「どうしよう?私…」


「リョウさん、ちょっと一走り薬局に行って、検査薬買って来て?」と、サクラが指示する。


「洋平さん、そっちの部屋のシュラフ、開くと羽毛布団みたいになるから、それを美和さんに掛けてあげて。
でもって、レンくんは、美和さんの手を握ってあげて」

てきぱきと指示するサクラを見てたら、
母ちゃんになると強くなるんだな?と、変に感心してしまった。


「美和さん、生理とかは?
最後はいつだったの?」


「えっと…私、ずっと不順だったし、
メモもしてないから、判らなくて…」と、
お母さんに怒られてる子供みたいに美和さんは答えた。


レンくんは、美和さんの手を握りながら、
「もしそうなら、夢みたいだ。凄く嬉しい」と耳元で言ってるのが聴こえた。

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