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ラストソング
第10章 旅立ち
その後、本当に全員で区役所に繰り出して、
その場で用紙を貰って2人は記入して、提出した。

サクラがその様子や、皆で2人を囲んで携帯で写真を撮ってると、
係の人が出て来てくれて、サクラも一緒に写真に入ることが出来た。


それから、サクラが通院している産婦人科にも行った。
待合室にもゾロゾロとついて行くと、
受付の人がびっくりしていた。

「俺たちの会社のボスで、俺たちの女神なんです。
宜しくお願いします」と、全員で頭を下げたら、
ニコニコしながらも、
「悪いんだけど妊婦さんだけじゃなくて、
事情がある患者さんも居るかもしれないから、
患者さんとそのご主人以外は、
ちょっと外に出ててくれますか?」と言われて、
美和さんとレンくんを残して、近くのファミレスで待ってることになった。


確かに、望まない妊娠をした人や、不妊で悩む人なんかも来るかもしれないと思ったら、もっともなことだと反省しながら、ファミレスで待っていた。


結構時間が経ってから、2人はファミレスに来た。


「どうだった?」と訊くと、

「生理の周期とか最後の生理の日が判らないから、正確では無いけど、大体12〜14週目くらいだって」と美和さんが言った。

「年齢的なことと、元々言われてた問題のこともあるから、
念の為、普通の妊婦さんより頻繁に検診に来るようにだって」とレンくんが続けた。

「なんか、夢みたい」と、美和さんはぼんやりした顔で呟いた。


「この後、どうする?」と俺が言うと、

「実家の両親に美和さんを紹介したい。
皆にも一緒に来て欲しい」とレンくんは言って、
ちょっと電話して来ますと席を立った。


美和さんは、
「ちょっと怖いな」と涙ぐんでいた。


サクラが、
「ダメダメ。お母さんが泣いたり動揺してると、
赤ちゃんがお腹の中で心配しちゃいますよ?」と言って、
美和さんの手を握っていた。


戻って来たレンくんは、
「これから移動出来ますか?
実家、小さいレストランやってて、
今日は予約も入ってないから臨時休業してくれるって言ってます」と言った。


「本当に俺たちも行って良いのか?」と訊くと、

「僕たち、皆、家族だと思ってるから」と笑った。

少し頼りなさそうだったレンくんは、もう居なかった。
全てを敵に回しても美和さんを護ろうとする男の顔になっていた。


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