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ラストソング
第10章 旅立ち
翌日には、美和さんの実家に2人は報告に行ったらしい。
とはいえ、両親は海外在住らしく両親にはオンラインのビデオ通話での報告になったそうで、
孫を抱くことを諦めていた両親は物凄く喜んでくれたらしく、
結婚式はどうするんだ?と盛り上がっていたらしい。

そして実家には美和さんの祖母がお手伝いさんと2人で住んでいるらしく、こちらもとても喜んでたそうだ。

「行きてるうちに曾孫を抱けるなんて!」と、
両親と同じようなことを言って、
レンくんの手を握って、
「美和ちゃんを宜しくお願いしますね」と何度も言ってたらしい。


そんな話を美和さんから聞いて、
美和さんだけでなく、両親やおばあさんまで、
美和さんの最初の酷かった結婚のことや、
子供がほぼ出来ないということをずっと気に掛けて、
苦しんだり悲しんでいたんだろうということを感じた。


俺が美和さんを諦めてレンくんに譲るようなことをしなければ、
今、美和さんの隣に居て、
父親のポジションになれたのは、俺だったかもしれないと一瞬考えたけど、
譲るようなことをする時点で、
俺はレンくんに負けてたし、
美和さんが選んだのは、俺ではなく、レンくんだったんだとしみじみその事実を噛み締めた。



美和さんの事務所に、太郎さんたちのバンドも加入した。
本業がフリーのデザイナーをしている太郎さんは、
事務所にパソコンを持ち込んで、仕事の合間にフライヤーやポスターを作ったりするようになってた。
太郎さんのバンドも車のコマーシャルのBGMの仕事も取れたよと言いながら、
時々、ライブやラジオ番組でも顔を合わせたりしていた。


レンくんの弾き語りのCDが上がってきた。
ジャケットや中で使われてる写真は美和さんが撮影したものだ。
ライナーノーツの最後には、
ユニット全員の名前が刻まれていた。

その最後には、

「愛を込めて美和さんに捧げます」という手書きの文字も入っていた。

これ、美和さん、知ってるんだろうか?
きっと、怒るぞ。
「公私混同しちゃダメでしょ」って。


美和さんに怒られてるレンくんの顔が浮かんで笑った。
言葉少なに反論しても、
豆台風にそんな言葉は吹き飛ばされてしまう。
そして、その後、仲直りにキスをするんだろう。


俺は、くすぐったい気持ちで笑った。
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