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ラストソング
第1章 出会い
「お疲れ様」
そう言いながら、美和さんがやってきた。


ライブの時は、黒一色のパンツスタイルで、
髪も後ろに結んでいたけど、
洗い立てらしくまだ少し濡れた髪に、
ふわりとしたワンピースを着ていた。
麻か木綿のような素材で、
なんだか素朴な少女のようだった。


「あれ?美和ちゃん。
髪の毛、濡れてる」
と太郎さんが言うと、


「乾かすの、面倒なんだもん。
そのうち乾くでしょ?」


「いや、傷みますって」と、
本業が美容師だというベーシストが心配して言うと、


「良いわよ。
別に気にならないもん」と、豪快に笑う。


メンバーとは仲が良いようで、
みんなが美和さん、美和さんと話したがるので、
俺は話し掛けるきっかけを掴めずにいた。


「焼酎、お湯割りが良いな。
馬刺し食べたい!」と美和さんが言うので、
俺がマスターに言おうと立った。


「あら。
主役にそんなことやらせちゃダメよね」と美和さんも立って、
マスターの処にスタスタと向かった。


そして、
「ライブの話、しようか?」と言うので、
頷くと、

「紙とペン持って。他のメンバーにも話すなら連れてきて!」と言った。


席に戻ると、太郎さんが美和さんを引っ張って、
顔を近付けて話始めてしまう。

美和さんの表情は、面白いほどコロコロ変わるから見ていて飽きないが、
尊敬する太郎さんとはいえ、他の男とあんなにくっついて話をしているのを見るのは面白くない。


「あーあ。
始まっちゃったね」
と、ベーシストが呟いた。


「あの2人の音楽の話、長いからな」


なんだ。
音楽の話か。
それならまだ良い。

別に付き合ってる訳じゃないだろうし。
何たって、太郎さんには、同郷の可愛い奥さんが居る。
子供が産まれたばかりで、最近、ライブには来てないみたいだけど。


「ほらね。
俺とギターとドラムも呼ばれたよ。
で、次は管とキーボードだな」と言いながら、
席を移動してしまった。


俺はギターのリョウとドラムのサクラの処に移動した。


「あのさ。
後で写真撮ってた美和さんから、
ライブの感想貰おうと思うんだけど」


「カメラマンじゃないの?」


「耳が凄く良いらしくて、太郎さんが美和さんの話、
聞いとけってさ。
俺のチューニング狂ってたことも言われた」


「へぇ」
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