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ラストソング
第2章 心機一転
美和さんは、上から下まで俺を一瞥すると、

「鍵無くして泣くとは、子供か!
取り敢えず、まず、シャワーだね。
こっち来て」
と俺を洗面所兼用の脱衣スペースに連れて行く。

「まずは、うがいと手洗いね?
脱いだ服は、こっちの洗濯機に入れて。
あ、キャリーバッグの中に今日の衣装も入ってるね。
洗濯出来るもの、あるかもしれないから、ここに一度全部置いて。
着替えはないから、このバスローブ羽織っててね。
下着とTシャツ程度なら、すぐ乾くでしょ。
タオルはここね」

それだけ言うと、美和さんはさっさと奥の部屋に入って行った。
俺は言われた通り、キャリーバッグから衣装や汗だくのタオルなんかを引っ張り出して、
シャワーを浴びさせて貰った。

良い匂いがするシャンプーで、
美和さんの女性らしさを感じた。

サバサバと何でも口にする美和さんと、
少しイメージは違うけど、
さっき美和さんの濡れてた髪と同じ匂いになったことで、
何となく美和さんに近付けた気がした。


シャワーから出たけど、
確かにドライヤーが見当たらなかった。
髪をガシガシとタオルで拭いてから、
奥の部屋に行った。

美和さんのバスローブを俺が着ると、
丈が短くて多分、変な格好だと思った。


ダイニングとリビングのスペースらしく、
単身用にしては広い部屋なので、驚いた。


「そこのソファに座ってて。
水、出しておいたからたくさん飲んでね。
私、洗濯機を回しちゃうから」と言って、
入れ違いに美和さんは廊下に出てしまった。


大きい観葉植物はあるけど、
モノは少なくて、きちんと片付いていた。


ひとり暮らし…だよな?
家賃、高そう。


そんなことを考えていたら、眠くなってきてしまう。
そんなに酒、強くないのに、
焼酎のロックだったからかな。



ソファにそのまま横になってて…
多分、美和さんがブランケット掛けてくれたけど、
気付かないまま朝になってた。
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