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ラストソング
第2章 心機一転
その時、重たいスタジオの防音のドアが開いて、

「おはようございまーす」と言いながら、
サングラスを掛けた見知らぬ中年男が入ってきた。


「美和ちゃんに頼まれて、
サポートに来ました。
ここで良いんだよね?」とニコニコしながら言う。


俺が頷くと、
ケースから楽器を出して、
シールドとエフェクターを繋ぎ始めた。


「あの?」


「取り敢えず、音源は聴いてきた。
念の為、譜面頂戴?」と言うので、
リョウに近くのコンビニまで行ってコピーしてくるように頼んだ。


「今日は何時までここ、取ってるの?」


「20時までです」


「そう。判った。
でも俺、今日は19時までしか居れないな」
と言うと、チューニングを始めた。



「あの…お名前は?」とサクラが訊くと、


「んー。ゲンさんで」と笑った。


何処となく、見たことがあるような気がしてならなかった。


練習を始めると、
ニコニコしていた様子は一変した。

物凄くストイックで、
譜面にメモしながら、
丁寧に1曲ずつ「取り組んで」くれてる感じだった。


ギターやドラムにも的確に指示を出しながら、
音が纏まっていく感じがした。


何よりも、グルーブ感が半端なく、
歌っていても気持ち良い。


「洋平くん、良い声してるね。
色気が凄いよ。
ギター弾きたいの?
演奏は、俺らに任せて、
歌に専念するのも良いかもよ?」と言う。


確かにゲンさんが加わっただけで、
音圧が上がり、
音の厚みも増した。
俺のチャラチャラしたギターは不要かもしれないと思った。


「ドラムの見せ場も欲しいよな。
せっかく紅一点な訳じゃん。
サクラちゃん、可愛いしさ。
この曲で、ドラムソロ入れてさ」


「こっちの曲は、ギターとベースの絡みを増やしたらどうかな?」


どんどん同じ曲が進化するのを感じた。
産まれ変わる瞬間に立ち合ってるみたいだった。


タイムリミットになると、
ゲンさんは楽器を片付け、立ち上がった。


「悪いけど、次に来れるのは本番の日だ。
場所と時間は美和ちゃんに伝えてくれる?
それと拘束時間の関係で、
出来たら順リハにしといて貰えると助かるな。
逆リハだと、長時間拘束されちゃうからな」
と言った。


「あの、今日のギャラは?」

「纏めて美和ちゃんから貰うから。
じゃあ、お疲れさん」と言って帰って行った。
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