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ラストソング
第3章 甘い生活
「じゃあ、私が先に入るね」と言って、
美和さんはスタスタと浴室に行ってしまった。


「一緒に入りたい」って言えば良かったと、
本気で後悔した。


だから、思い切ってアタックすることにした。


浴室のドア越しに、美和さんに声を掛けてみる。

「美和さん、一緒に入りたい!」


「えっ?ダメだよ。
今ね、私、鶴になってるから、
姿は見せられないから」


「じゃあ、背中流させて。
いつも世話になってるからお礼に!」


「困ったな。
背中は羽根だらけで、
特に洗うトコ、ないから」


「じゃあ…」


「そんなに入りたいの?」


「はい!」


「私と入っても、別に楽しくもないよ?」


「楽しいとか、そういうことじゃなくて…」


「電気消してくれたら、入っても良いよ。
それとタオル1枚持って入ってね」


「やった!」

俺は急いで服を一気に脱いで、
浴室の電気を消した。


「そっちの洗面台のトコも消して?
まだ明るいじゃない」
と言うから、廊下まで消してから、ドアを開けた。


「これでいいっすか?」


美和さんは、バスタブに浸かってた。

暗いけど、浴室には磨りガラスの窓があって、
満月のせいか少し明るかった。

目が慣れてくると、
ほわんと白い美和さんが見えてきた。


「タオル頂戴。
シャワー使って身体洗っちゃってね。
何なら、お背中、流しましょうか?」と言うので、

「とんでもないです!」と言って、
ボディソープの泡が飛び散らないように静かに洗った。


「ちょっと背中向けて座ってみて?」と言われてそうしてみたら、
美和さんはスポンジを俺から奪って、背中を洗ってくれた。

肩甲骨の処を念入りにマッサージするようにしてくれて、
疲れが解れて行くのを感じた。


「ここは、自分では届かないもんね」と言って、笑った。


「流したら、バスタブに入ってね」


バスタブは広かったから2人でも余裕で入れた。
美和さんは、前にタオルを当てていた


「向かい合って入るの、恥ずかしくない?」と言うけど、
背中合わせでもなと思って、

「そうだ!」と言って、
美和さんの後ろに回って脚を前に投げ出してみた。


「これなら見えないし、恥ずかしくないですよね?」


でも、俺からは、美和さんのうなじとか背中、
そしてお尻なんかがちょっと見えてた。




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