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ラストソング
第4章 戦闘開始
「これって?」


「はい。聴かせて?」


美和さんには驚かされることばかりだ。
ギターのチューニングをして、
この2日間に作った曲を歌った。


美和さんは目を閉じて聴いていた。


「うん。
なかなかかな?
でも、まだまだ何か足りないと感じた」


「美和さんも、楽器弾くんですか?」


「まあね」


「聴きたい」


美和さんはハードケースからガットギターを出して、
椅子に座って脚を小さい台にのせて、
チューナーも使わず調弦する。
ギターはボディの処は傷だらけだった。


指をストレッチするように幾つかコードを押さえると、
暫く目を閉じている。

足元の小さいボックスを踏むとリズムが刻まれる。

それに合わせて、いきなり演奏を始めた。


スペインのフラメンコで使われるような奏法で、
ボディを叩いたり指先で鳴らしたりしながら、
テンポよくかき鳴らした。


ガットギターだから、
『禁じられた遊び』でも弾くんだろうと思ってたので、
ただただ、度肝を抜かれてしまった。


その後、マイケル・ジャクソンの『BAD』を、
同じような奏法で弾きながら楽しそうに歌うので、
更に驚いた。


声も出ない俺に、
「もっと、聴きたい?」と笑うので、

「あの。俺…なんか恥ずかしくなってきた」
と言った。


「ギター、メチャメチャ上手いじゃないですか?
俺なんかよりずっと」


「好きだからね。
毎日練習はしてるよ。
仕事で出てたから弾けなかった分、
下手になってる」


「歌もカッコいい」


「でも、自分の声は好きじゃない。
もっと太くて低い声になりなかったな。
訓練しても、この程度だよ。
洋平さんは、生まれついての素晴らしい声を持ってるからね。
それは神様からのギフトだよ」


「俺、もっとギター練習します」


「歌に専念するっていう方向性もあるけどね」


「…」


「バンドの形も含めて、どうしていくかをしっかり見極めないとね。
そういう時期に来てると思うよ」


美和さんは、俺のギターを手にして、
調弦し直すと、
『ラストソング』を弾き始めた。


「ほら。同じ曲でも、バンドじゃなくて、弾き語りも出来るでしょ?
その時は、どのテンポがベストか?
どんなギター伴奏するか?
歌い方はどう変えるか?
出来ること、たくさんあって、楽しくない?」

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