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ラストソング
第1章 出会い
「うわ。
カッコいい写真ですね」
俺は思わず声に出して言ってしまった。


「あっ。洋平、会ったことなかったっけ?
俺の友達の美和さん。
時々、カメラマンして貰ってるんだよ。
こないだの俺らのCDのジャケ写真とかも撮って貰ってるんだ」


「プロのカメラマンさんですか?
凄いですね。
洋平です。宜しくお願いします」
と手を出してみた。


「あら、やだ。
アマチュアよ。
本業は別なの。
美和です」と、握手をしてくれた。

その手は自分に比べると物凄く小さくて、華奢だった。


「あっ!
プレスの腕章とバックヤードパス、持ってきましょうか?
そしたら、ステージの袖からも撮れるし」


「おっ。そりゃ助かるな。
サンキュー、洋平」


「良かったら、俺たちのも撮って貰えませんか?」


「えー。
ダメだよ。
美和ちゃん、アマチュアだけど、
ちゃんと俺ら、撮影のギャラ、出してるんだぞ」と言われてしまう。


美和さんは、笑いながら、
「んー。そうね…
じゃあ、あなた達のバンドのCD、
フルセットでプレゼントしてくれるなら、
撮ってあげる」と言ってくれた。


「そんなんで良いなら!」と、
俺はグッズコーナーからCDをピックアップして渡した。


「ありがとう。
聴かせて貰うわね」


「お前ら、ラッキーだぞ。
美和さんの写真、メッチャカッコいいんだぞ。
おまけに美和さんの耳、凄いんだから。
うちのバンドも、アドバイス貰ったら、格段に良くなったんだよな。
ま、辛辣だけどさ」と言った。
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