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ラストソング
第5章 恋愛成就
「あの…美和さんの交通費とかは?」と、リョウが言うと、

「良いよ。私、単なるファンで、追っかけだから。
でもね、演奏が不甲斐なかったら倍返しさせるよ」と、
悪戯っぽくニヤリと笑った。

リョウは、「敵わないなぁ」と言いながら、
頭を掻いた。


本当に出番ギリギリに、ゲンさんはやってきた。
いつものようににこしながら、ゆったりした動きでステージに上がる。
セッティングを確認すると、リョウにグッドマークを出しながら頷いた。

ギターを弾くのを辞めることで、
俺は歌に専念出来て、集中することも出来た。

美和さんがカメラを手に歌いながらシャッターを切ってる姿すら、
途中で見えなくなるほど、歌にのめり込んだ。

アンコールが終わると、放心してしまい、
自分が何処にいるのかも判らないほどだった。


気づくとゲンさんが楽器を片付けていて、美和さんもシールド巻いたりして手伝っていた。

「ゲンさん、私、外でタクシー止めておきますね!」と言って、
美和さんが走り出す。

俺が声を掛けると、
「洋平さん達は、ファン対応ね!」と言い残してドアから消えた。


「美和ちゃんは、豆台風みたいだからな」とゲンさんがゆったり笑いながら言って立ち上がる。


「今日もありがとうございました」と頭を下げると、
手を差し出して握手しながら、

「お疲れ様さま。
だんだん、良くなってきてるな。
次の大阪も楽しみにしてる」と言ってくれた。


外では小さい身体で、手をブンブン振り回しながら、
美和さんはタクシーを止めているんだろう。

そんな姿が浮かんで、笑ってしまった。


お客さんを送り出して片付けていると、
対バンのベーシストがやってきて、

「美和さんも凄かったけど、
サポートのオッサンの演奏はヤバかった。
誰なんだ?サングラスしてたけど、
なんか見覚えあったな。
あの演奏も…」と言った。


「俺たちも、ゲンさんって言う名前しか知らないんだよ。
ちょっと色々あってさ、サポートのベースがばっくれて困ってたら、
美和さんが紹介してくれたんだ」


「そうか」と言うと、

「打ち上げ、近くだから。
美和さんも誘ってな?」と続けた。


「ああ。訊いてみるよ」


「あの、あれこれ指図したり、ファンの女の子睨みつけてたお前の彼女に比べたら、天使だよな?」と言った。
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