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ラストソング
第6章 一騎討ち
タオルドライしてから、引き出しの中に仕舞ってあったドライヤーで美和さんの髪を少し乾かしてから、抱き上げてベッドに運んだ。

「1人の方が落ち着く?
俺は一緒に寝たいけど」と言うと、

「きて?」と小さい声で言う。

ドクン!と胸と下半身にダイレクトに響くような声だったけど、
これは物理的に横に来てってことだと自分を納得させて、
腕枕しながら髪を撫でて、額にキスをした。


「まだ、痛いといけないから、
今夜は我慢するからね」とふざけて言ってみたけど、
美和さんは震えながらまだ泣いていた。


「そんなにレンくんが好きなのか」と、
俺は言ってしまった。


「洋平さん、ごめんなさい。私…」と美和さんが苦しそうな顔をする。


「私は洋平さんに相応しくないのよ。
こんなオバサンと居ても、
なんの将来性もないし、洋平さんの時間を無駄にさせてしまうもの」


「美和さん。
さっきも言ったけど、俺、本当に美和さんの年齢なんて気にならない。
実年齢は知らないけど、少なくとも俺の目に映る美和さんは、
可愛くて愛おしくて、年齢のことなんて感じたことないよ?
素顔のままで一緒に居てもだよ?」

セックスしてもってことも言いたかったけど、
泣いてて弱っている美和さんに言うべきじゃないかなと思って言わなかった。

一回り上っていうのも、信じられなくて、
なんか計算間違えてるんじゃないかなとすら思った。


俺と一回り違うなら、
レンくんとは18歳離れてることになる。
それは俺に取っては有利なことのように感じた。


だって、親子ほど離れてるって言っても良いくらいの差だ。
しかも、男女が逆での18歳差なら、よく有る話だろうけど、
逆は正直、あんまり聞いたことがない。


そんなことを考えて、
よし!まだ俺の方が勝てる!と思った。


それと、俺はもう1つ考えていることがあった。
最終の東京に戻ってのツアーのオープニングアクトについてだ。

マークのバンドは、もう使いたくなかった。
連絡しても繋がらないということもあるから、別バンドをという話をリョウとしていた。

それを、レンくんのバンドにしてはどうか?と考えていた。

ただ、一存では決められないから、来週、レンくんのライブにリョウと行くことにしていた。
ただ、その事が、美和さんとの関係にどう影響するのかは、正直気になっていた。
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