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ラストソング
第6章 一騎討ち
2時過ぎに美和さんが帰宅した。
うがい手洗いをして、歯磨きをしてたので、
俺は急いで美和さんの処に行った。


「お願いだ。一緒に寝て?
俺、このままじゃ、明日歌えない」と、美和さんを抱き締めて泣きついてしまった。
本当にカッコ悪いとは思ったけど、
本心からそう思った。


「ん?どしたの?」


「美和さんがレンくんと一緒に居るのが耐えられない」


「えっ?
だって、洋平さんが私に、ギターのサポートやれって…」


俺は許可される前に、美和さんにキスをした。


「本当に不安で倒れそう。
一緒に寝て?」


「良いよ」


美和さんがそう言ってくれたので、
美和さんをお姫様抱っこして美和さんのベッドに運んだ。

ベッドに優しく降ろすと、俺は上にのし掛かるようにして、
美和さんの額や両頬、唇や耳にキスをした。

「美和さん、好きだ。
愛してる」と言いながら、
何度も何度もキスをすると、
美和さんは、それを止めるようにして、
胸の上で俺を抱き締めた。

美和さんの胸は、天国の羽毛布団みたいに、
極上の感触だった。



「あのね。
私、本当にレンくんが好きなの。
でも、年齢のこと考えたら、
勿論、何も進展しないってこと、良く判ってるよ?
だから、3週間の期間限定だけでも、
ふわふわした気持ちで恋していたいの。

それにね、洋平さんだっておんなじよ?
言ったでしょ?
私は子供も産めないし、年齢も一回り違うの。
私たちがお付き合いして、洋平さんのご両親にご挨拶したらね、
100%、結婚は認めて貰えないよ?
そんな歳上の離婚歴がある女に、大切に育てた息子を取られるなんてって思うよ。
その上、子供産めないなんてね。
洋平さんだって、今はまだ、若いから、
子供なんて要らないって思うかもしれないけど、
もう少しして、子供欲しいなって時、
私ではダメなんだよ?
そして、そのことを1番知ってるのは、私自身なの」

俺はそれを聞きながら、反論したかったのに出来なかった。
反論出来ない時点で、俺は負けていたんだ。


「勿論、ただ付き合うだけっていって、
男女の関係持つことは出来るだろうけど、
今は…東京に戻ってのライブが終わるまでは、
私、叶わない泡みたいな恋、したいの。
だって、初めて自分から好きになったから。
だからね、私が恋して失恋するの、待っててくれる?」
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