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ラストソング
第8章 最後の聖戦
次の水曜にも、レンくんのバンドのライブがあった。
勿論、合間には、スタジオ練習しているようだったし、
美和さんは仕事も忙しそうだった。

それは俺も同じで、
スタジオ練習やミーティングをしたり、
サラリーマン仕事もライブの為に休んだ皺寄せもあり忙しかった。

だから、同じ家に居るはずなのに、
殆ど顔を合わせることもなく、
LINEで連絡する程度だった。


忙しいのに、俺は、
美和さんとレンくんの魂が結びついているようなステージを観る為に、
レンくんたちのライブに足を運んでしまった。


渋谷のライブハウスだったが、
明らかにレンくんのバンドを聴きに来ている人が多かった。

バンド関係者も多く居た。

リハーサル後に、出番の順番が変わったらしく、
入り口の看板は、手書きで書き直されてた。

レンくんのバンドが、トリになっていた。


本来のトリのバンドは、以前、対バンで一緒になったことがあって、
リーダーのボーカリストを見つけて声を掛けた。


レンくんのことを後輩のように可愛がって来たというボーカリストは、
心底、レンくんの才能をリスペクトしていた。
そして、美和さんの評判も聞いているらしく、
楽しみにしているようだった。


「えっ?先週のライブ、洋平さんも聴いたの?
羨ましい!俺も聴きたかったよ」


「あ、今度の日曜、俺たちのレコ発ライブにも、
レンくんたちのバンド、オープニングアクトで呼んでますよ」


「おっ。日曜ならライブないし、行きたいです」と言う。


俺たちの演奏じゃなくて、
レンくんたちの演奏を聴きに来たいと言われて、
かなり複雑な気持ちになった。


近くの小さい公園にレンくんたちが居ると聞いて、
覗きに行った。

4人は背中合わせに地面に座り込んで、両手を繋いでいた。
急にベースとドラムが、ブランコに乗り始めた。

美和さんはと見ると、レンくんに手を引かれてベンチに座った。
レンくんは肩に腕を回した。
美和さんは目を閉じてレンくんに寄り掛かる。
2人は手を絡ませて繋いでいた。

ただ、そうやって静かに支え合っているだけだったけど、
繋いだ手や、
心の奥底で、静かに会話しているようだった。


俺はそっとそこから離れた。
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