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ラストソング
第8章 最後の聖戦
ライブは、平日のブッキングライブとしてはあり得ないほど混み合っていた。
出番になると、
レンくんたちは静かに淡々とセッティングを始めて、
Aの音をベースと美和さん、そしてレンくんが合わせていった。
美和さんは今日も、黒地のバンドTシャツに黒いスリムパンツを履いて、真っ黒いサングラスを掛けていた。
客席には、美和さんのことを話している人も多かった。
「びっくりするほど上手いんだ」
「凄い音を出してたよ」
「小さくて可愛いよね」
「あんなサポートメンバー、どこから?」
「そのまま、正規のメンバーになるんじゃないか?」
美和さんはいつものように、
チューナーを使わず調弦していった。
客席の声は、
全く聴こえていないようだった。
この日は、美和さんの音からライブが始まった。
物凄く華やかで晴天の空みたいな音色だった。
とても明るい、ウキウキするような曲で、
客席中が盛り上がった。
そして、その日のレンくんたちのバンドは、
セットリストをガラリと変えていた。
1曲ごとに、レンくんの歌い方、
顔の表情は変わり、
それにシンクロするように美和さんの顔もギターな音色も変わった。
それに、ドラムとベースが面白いように絡んだ。
古い映画をテーマにしながらも、
多分美和さんへの想いを綴った新しい曲は、
レンくんの気持ちが溢れていた。
定番の曲すら、
新しいものに聴こえるほどだった。
そして、どの曲も、
レンくんの美和さんへの想いが溢れているように感じたし、
美和さんのギターも、レンくんへの強くて深い愛情に満ち溢れているようだった。
最後の曲は、圧巻だった。
美和さんは、自分の届かない処に行ってしまったように思えた。
俺は最後の戦いの前に、闘わずして敗れたのか?
いや。
違う。
戦いはこれからだ。
日曜のライブで、
自分のバンドの将来と美和さんのことを決める。
何もせずに終わるのだけは嫌だった。
出番になると、
レンくんたちは静かに淡々とセッティングを始めて、
Aの音をベースと美和さん、そしてレンくんが合わせていった。
美和さんは今日も、黒地のバンドTシャツに黒いスリムパンツを履いて、真っ黒いサングラスを掛けていた。
客席には、美和さんのことを話している人も多かった。
「びっくりするほど上手いんだ」
「凄い音を出してたよ」
「小さくて可愛いよね」
「あんなサポートメンバー、どこから?」
「そのまま、正規のメンバーになるんじゃないか?」
美和さんはいつものように、
チューナーを使わず調弦していった。
客席の声は、
全く聴こえていないようだった。
この日は、美和さんの音からライブが始まった。
物凄く華やかで晴天の空みたいな音色だった。
とても明るい、ウキウキするような曲で、
客席中が盛り上がった。
そして、その日のレンくんたちのバンドは、
セットリストをガラリと変えていた。
1曲ごとに、レンくんの歌い方、
顔の表情は変わり、
それにシンクロするように美和さんの顔もギターな音色も変わった。
それに、ドラムとベースが面白いように絡んだ。
古い映画をテーマにしながらも、
多分美和さんへの想いを綴った新しい曲は、
レンくんの気持ちが溢れていた。
定番の曲すら、
新しいものに聴こえるほどだった。
そして、どの曲も、
レンくんの美和さんへの想いが溢れているように感じたし、
美和さんのギターも、レンくんへの強くて深い愛情に満ち溢れているようだった。
最後の曲は、圧巻だった。
美和さんは、自分の届かない処に行ってしまったように思えた。
俺は最後の戦いの前に、闘わずして敗れたのか?
いや。
違う。
戦いはこれからだ。
日曜のライブで、
自分のバンドの将来と美和さんのことを決める。
何もせずに終わるのだけは嫌だった。