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ラストソング
第9章 新たな挑戦
美和さんのマンションの前でタクシーを降りると、
前にあるコンビニで飲み物やツマミになりそうなものをワイワイ皆で買ってからゾロゾロと部屋に上がった。

「サクラちゃんはソファに座ってね。
あとは、適当に座ってて」と言って、
自分とサクラ用にと温かい焙じ茶を大きいマグカップに淹れてた。


「お疲れ様でした」という美和さんの声で乾杯すると、
「酔っ払う前に話しても良いかな?」と美和さんが言った。


「さっきレコード会社とか音楽事務所の人たちからオファーあったでしょ?
そのことで、私、考えてることがあるんだ。
荒唐無稽かもしれないけど、ちょっと考えて欲しい」と話し始めた。


「洋平さんのバンドは、ベースが不在。
そして、ドラムのサクラちゃんは…
言っても良い?」と、リョウとサクラを見る。
2人が頷くのを確認すると、続ける。

「サクラちゃんは赤ちゃんがお腹に居るの。
ツアー中、心配でならなかったわ。
だから、サクラちゃんもドラムを続けるのは難しいの。
洋平さん、バンド解散しようと思ってるでしょう?」


えっ…という顔で皆が俺を見た。
俺は頷いた。


「でも、私はバンド、続けて欲しいと思ってる。
今日のライブで確信したの。
辞めて欲しくない」


俺は手を握り締めて、涙を堪えてた。


「それと、レンくんのバンドは…
リードギターだけなら、演奏する人口は圧倒的に多い楽器だから、
サポート探せばいくらでも居るし、
何なら新しいメンバーにも逢えるかもしれない。
でも…もしかして、レコード会社からは、『ソロで』って言われたんじゃない?」


レンくんは頷いた。
そして、きっぱり言った。

「でも、僕はバンドとしての表現者で居たいし、
ギターは…
僕の歌を死ぬ程好きなヤツとしかやりたくないから、
美和さんとやりたい」


「ありがとう。
でもね、私、仕事があるし、
年齢的にも体力的にも、
仕事と掛け持ちでバンド活動するのは難しいの。
だって…レンくんのお母様と変わらないくらいなのよ?」と美和さんは笑った。


「えっ?嘘だぁ」と、ベーシストが目を丸くして言った。


「ホントよ」と、美和さんが言った。


「で、バンドじゃなくて、ソロだったら、オファー断ろうと思ってるでしょ?」と、美和さんはレンくんを真っ直ぐ見て言った。


レンくんは、「はい」と答えた。


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