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あおい風 あかい風
第9章 乱
 部屋にもどると 居間のカーペットにうつぶせになっている結月がみえた。眠っているのだろうか。
 「ゆうちゃん?」
 背中に触れると びくっとした後 ゆっくり顔をあげた。泣きはらして 髪の毛が涙で頬にはりついている。哀れさに 胸が締めつけ られるようだ。
 「はるにぃ・・・」
 膝ににじり寄ってくる。抱き上げると スリップ一枚の身体は冷え切っていた。

 ベッドまで運び おろそうとすると シャツを握りしめ離されまいとする。
 「大丈夫。そばにいるから」
 そう言っても手を離そうとしないので 隣に横たわる。すぐに腕の中に ぶつかるように入りこんでくる。まだ 時折しゃくりあげている。

 幼かった結月も いつもこんなふうにとびこんできた。何も変わっていないというわけか。
 髪にキスすると 結月が見上げた。睫毛に涙がとまっている。どちらからともなく キスが始まった。結月が激しく唇を吸ってくるのに 激しく応えた。舌をからませ 交代でお互いを吸いあった。
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