この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Memory of Night 2
第10章 嫉妬
晃は早足で部屋へと戻った。玄関を入ってすぐ右手の脱衣所の電気がついている。覗くと、宵は洗面台にいた。
「宵、大丈夫?」
声をかけると、口元を拭いながら振り向いた。
どうやら口をすすいでいたらしい。
「……吐いたらすっきりした。あ、ちゃんとトイレで吐いたからな」
「そういうこと心配してるんじゃないよ」
晃は思わず安堵の笑みをこぼした。顔色も先ほどよりは良く見える。と言ってもさっきは真っ暗な外だったから、余計に悪く見えただけかもしれないが。
「ごはん、食べれそう?」
「……無理かも。まだ胃が変だし、頭痛い」
なんでそんなになるまで。疑問はあったが、晃はとりあえずそれを一度飲み込む。
「……そっか。ソファで少し休む?」
「……ん」
宵は短く頷いて、部屋へと歩いていった。
晃はキッチンに向かい、冷蔵庫から500のミネラルウォーターを一本手に取り宵の目前に置いた。
「ありがと」
着替えるのも怠いのか、制服姿のままソファに深く腰かけている。
晃もその隣に腰を下ろした。
「水分は、ちょっと無理してでも摂った方がいいよ。口移しで飲ませてあげようか?」
「自分で飲めるっつの」