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Memory of Night 2
第10章 嫉妬

 晃は早足で部屋へと戻った。玄関を入ってすぐ右手の脱衣所の電気がついている。覗くと、宵は洗面台にいた。

「宵、大丈夫?」

 声をかけると、口元を拭いながら振り向いた。
 どうやら口をすすいでいたらしい。

「……吐いたらすっきりした。あ、ちゃんとトイレで吐いたからな」
「そういうこと心配してるんじゃないよ」

 晃は思わず安堵の笑みをこぼした。顔色も先ほどよりは良く見える。と言ってもさっきは真っ暗な外だったから、余計に悪く見えただけかもしれないが。

「ごはん、食べれそう?」
「……無理かも。まだ胃が変だし、頭痛い」

 なんでそんなになるまで。疑問はあったが、晃はとりあえずそれを一度飲み込む。

「……そっか。ソファで少し休む?」
「……ん」

 宵は短く頷いて、部屋へと歩いていった。
 晃はキッチンに向かい、冷蔵庫から500のミネラルウォーターを一本手に取り宵の目前に置いた。

「ありがと」

 着替えるのも怠いのか、制服姿のままソファに深く腰かけている。
 晃もその隣に腰を下ろした。

「水分は、ちょっと無理してでも摂った方がいいよ。口移しで飲ませてあげようか?」
「自分で飲めるっつの」
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