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Memory of Night 2
第10章 嫉妬
晃がペットボトルを手に取ると、それをひったくるようにして宵が奪う。そのまま何口か飲んだ。
ごくり、と鳴る白い喉。その下にまだ残る、緊縛の痕。
ふいに晃の脳裏に、春加の言葉が蘇る。『ラブホテル』。
宵に限ってそれはないだろうと確信に近い気持ちで思うが、宵自身に否定してほしかった。
「バイトが九時半までなのに遅かったから、さっきハル姉に聞いたら、ラブホに行ってたって」
「……は? ラブホ? 行くわけねーだろそんなとこ! おまえからかわれたんだよ」
「うん、だろうなと思った」
嘘だと思ってはいたが、だとしたらどこに行ってたのか気になった。
「本当は彼女とどこに行ってたの?」
「山だよ、山! どこか知らねーけど、いきなりドライブ付き合えって言われて勝手に。運転は粗いしスピード出すし峠だしでマジで死ぬかと思ったわ。あいつ頭おかしいだろ」
「……ドライブだけ?」
「だけだよ、だからこんなに酔ったんじゃん」
「亀甲縛りのことも知ってたけど、彼女に話した?」
「話すわけねーだろ、こんなアブノーマルなの。あー……、帰り高校の制服に着替えた時上までボタンしめるの忘れたからかも。見えたんだろ、首と胸元の痕」
「それでか」