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Memory of Night 2
第12章 夜のお散歩
「ーーどう? 異物感には馴れた? 痛みとかない?」
「痛くは……ないけど」
晃の家を出て、中にローターを入れたまま歩かされて数分。最初は凄まじかった違和感も少しずつ馴れてきた。
もともと指二本分くらいのサイズだし、晃が濡らしてくれていたから痛みはなかったが、それでも歩くたびに中の存在感が凄かった。しかも体育館で去年使った時よりも、奥に入っている気がする。
「まだ入れてるだけなのに、おとなしいね」
前から一人、女性が歩いてくるのが見えた。六十くらいの年配の女性だ。
車通りもない小さい道なのと時間が遅いのもあり、人とすれ違うのは珍しかった。
晃は自転車を押しながら、ポケットに右手を入れた。
「……っ」
瞬間、宵は小さく息を詰めて立ち止まった。
「止まらないで、怪しまれちゃうから」
耳元で囁かれる。
「……無理」
中でローターが振動し始めていた。指や晃のとは違う、細かい振動。それはセックスとは全然違い、なんとも言えないもどかしい刺激だった。
決して大きな刺激を宵に与えるわけではないが、歩くたびに内壁と擦れて、切ないような刺激が襲いかかってくる。
晃は止まってはくれず、歩いていってしまう。