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Memory of Night 2
第12章 夜のお散歩

宵は顔を伏せ、唇を噛み締めてとぼとぼと後を追った。
どうにか追いつき、同じくらいのタイミングで先ほどの女性とすれ違った。
すると振動も止まった。
「今のが弱(じゃく)」
「タイミングおかしいだろが、なんで人とすれ違う時に作動させんだ、ばか」
「えー、そういう使い方するものじゃない?」
息をわずかに弾ませながら宵が文句を言うと、晃からはそんな声が返ってくる。
世間的にはそうかもしれないが、宵は、もう少し配慮してくれてもいいのでは、と思うのだった。
外灯の下辺りでふいに晃が立ち止まった。
「……エロい顔になってきたね」
「どんな顔だよ、見んなっ」
宵はパーカーのフードを頭にかぶり、逃げるように灯りの下から出た。
外で、そんな顔を晒すのも嫌だし、なんなら気持ちよくもなりたくない。自分の家が、酷く遠く感じた。
これなら晃の母にくるまで送ってもらえば良かったと切に思う。
「勝手に俺のそばから離れちゃだめ。リードつけるよ? お仕置き、しとく?」
「あ……んんっ」
しとく? ってなんだよ、と思う。そんな軽いノリで作動させられたらたまらない。
宵は立ち止まり、思わずしゃがみこんだ。
ぶるぶると、さっきよりも確実に振動が強くなった。

