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Memory of Night 2
第14章 夏休みに向けて

「変態」
「えー、ひどくない? 友達でしょ?」
明は声をあげて笑った。
「男なんてみんなそんなもんだろ」
大山がすかさずうん、うんと頷いて言う。
「あんたよりは、紳士に見えるけどなあ。アッキーももちろん一緒にさ、海行こーよ。実は親戚の叔母(おば)さんが海の近くで民宿やってるんだよね。素泊まりだし、ちょっと古めのとこだけど、ただで泊まれるよー。……ついでに大山も来る?」
「ついでって!」
「だってあんたには借り、ないもん別に」
「失恋したての大山の慰安旅行?」
「宵まで、ふざけんなよ。でも海かあ、新しい出会い探しに行くかー!」
「ーーはい、決まり。アッキーに伝えといて。日程はまた、あとで決めよ。くれぐれも、泊まりで海行くことは周りには秘密でね。変なやっかみ買いたくないから」
「やっかみって」
「なんやかんや宵もアッキーもモテるからね。あといくら叔母さんとこでも、そんなたくさん泊められないからさ」
「そりゃそうだよな。はいよー」
もともと言いふらす気はなかったが。明の言葉に返事はしつつも、晃が行けるかどうかは宵もわからなかった。予備校もあるだろうし、夏からは本格的に受験勉強をすると前にちらりと話していた。
宵はカーテンの隙間から射し込んでくる日差しの強さに、軽く片目をすがめた。目前に夏が迫っていた。
眩暈がするようなキラキラと眩しい季節の訪れを横目に、購買に向かうためもう一度席を立った。

