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Memory of Night 2
第14章 夏休みに向けて

「なあ、夏休みは忙しい?」
「平日は予備校かな。何? デートの誘い? その日は空けるからいいよ」
「デートっていうか、二人じゃないけど。海行かね?」
「海? 誰と?」
「明と大山。明に温泉旅行のペアチケット渡しただろ? あれの礼に誘ってくれたんだけど」
明の叔母が海の近くの民宿をしていることなど、昼間の話を一通り伝える。
「……お土産いっぱい貰ったけどね。あれで充分なのに」
「なー」
「海ねー……」
「明とか大山と一緒なのが嫌?」
なんだかんだで独占欲まみれの晃のことだから、二人で行きたい、と言い出しかねない。それに明ともそこまで親しくはないだろうが、大山とはなお接点がない。それも嫌なのだろうか、と思う。
「それは別に。てか、そのメンツに俺が入っていいの?」
「二人は平気じゃね? 誘ってきたのあっちだし」
大山の方も、このメンバーで行くのを承知していて何も言わなかったので大丈夫なはずだ。
「メンバーがってより、海がねー……。水に入るでしょ?」
「そりゃ、せっかくだし。……もしかしておまえ、泳げねーの?」
つい後ろを振り向いてしまう。勉強も運動も喧嘩も家事も、ありとあらゆることを人並み以上にーーどころかほぼ完璧にこなしてしまう晃が、実はカナヅチだったら面白い。
ようやく欠点が見つかったか。

