この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Memory of Night 2
第14章 夏休みに向けて

「……何ニヤニヤしてんの。残念ながら、俺はカナヅチじゃありません。泳ぐのは得意な方」
「……もう、マジで苦手なことねーのかよ! つまんね」
いいから前向いて、と促され、再び正面を向く。
「じゃ、何が不満?」
「だって、海に入るってことは、脱ぐでしょ? 裸を人がたくさんいる場所で晒してほしくないんだよ」
「…………」
そっちか、と思う。
「なるべく水の中以外はなんか羽織るって。あんま日光当たりたくないし」
「焼けるから?」
「逆。焼けねーんだよ。焼ける前に真っ赤になって皮剥けちまうの。昔っから」
「ああ、そうなんだ。そういう体質の人いるよね。だから夏でも白いんだね、肌。ーーま、それならいいよ、海。高校生最後の夏休みだしね。いっぱい楽しも」
「おう」
それから数分後だった。
「できたよ。だいぶイメチェン」
晃は用意していた手鏡を、宵の前にかざす。
鏡の中の自分に驚く。だいぶ短くしてくれていた。これなら女性には間違われないだろう。
「……頑張ったでしょ?」
「なんだよ、頑張ったって。さんきゅ」
「また伸びてくるかな、ちゃんと」
ハサミを握ったまま、ワナワナと震える晃に宵はつい声をあげた。
「そりゃ伸びるだろ、うっせーなあもう。人の髪型でうじうじすんな」

