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Memory of Night 2
第16章 恋と魚突き

「……ぶっちゃけ、一年の頃可愛いなって思ってて、最近またちょっと気になって。あと半年ちょいで卒業だろ? ……なんかそう思ったらどんどん……」
「じゃ、告ればいいじゃん」
「簡単に言うな。それができたらおまえに相談なんかしない……」
まあ、確かに、とは思う。
「あっちも卒業? てことはタメ? 今クラス一緒?」
「…………」
沈黙。わかりやすい反応だった。どうやら同じクラスの誰からしい。
「誰?」
「…………ずけずけ聞きすぎだって。心の準備をさせろ」
「……なんだそれ」
宵は呆れたように目を細める。心の準備も何も、相談があると持ちかけてきたのは大山の方なのに。むしろそっちが準備を終えてからこい、という話だ。
「……同じクラス」
「それはわかったって。んで、誰?」
宵に真顔で詰められ、大山は再び口をつぐむ。
ほんのりと頬を赤らめ、宵をちらりと横目に見ながら蚊のなくような声で言葉を発する。
「おまえと仲いい女子」
「……俺と仲いい女子? ……女子?」
男子ならまだ何人か浮かぶが、女子なんて一人も出てこなかった。もちろん話しかけられれば応えるし用があれば話しもするが、仲がいいと言える子なんていたろうか、と思う。

