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Memory of Night 2
第17章 台風接近
「ーーまあ! こんなに捕れたの? すごいじゃない!」
夕方、風が少し出てきたのでまだ明るかったが五時過ぎには魚突きを切り上げた。
民宿に戻ると、明の叔母は目をまんマルにして捕れた魚たちを見つめる。
驚くのも無理はない。魚は大漁だった。大山が買ってきた大きめのクーラーボックスに溢れんばかりに入っていて、さらに収まり切らなかった魚がバケツに放り込まれている。
ざっと数えても三十匹は軽く超える。
「ほとんどこの二人が捕ってくれたんだけどね」
明が宵と晃を手のひらで示す。
あのあと結局竹ヤス三本を使いみんなで魚突きに挑戦した。大山はとりあえず泳ぐ練習。明も途中から冷やすための氷を追加調達しに行ったり膨らませたビーチボールや浮き輪などを潰して片付けたりしていたため、最後まで魚突きをメインでしていたのは宵と晃だった。
「よくそんな軽装備で捕れたわね。怪我がなかったんなら良かったけど、岩場は危ないからね。今度本格的にやる時は、ウエットスーツとか着なさいよ」
「はーい! わかったから、叔母ちゃん、これで夕食作ってー。全部食べれる魚なんかな?」
とりあえず、片っ端から捕ってきたのでどれがなんの魚なのかもよくわからなかった。
「うーん、見てみるわ。たくさん魚ありがとね! 疲れたでしょ、みんなお風呂使っていいわよ! うち素泊まり用の民宿だから、お風呂は家庭用の普通の風呂だけどね。明、案内してあげて。お夕食ができるまでごゆっくりしてね」