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Memory of Night 2
第17章 台風接近

「あ、大丈夫、部屋でゆっくり」
「…………手伝うって」
涙目で魚を洗っている姿は見ていてさすがに可哀想になるし、何より夕飯がいつできるのかも気になるところだ。明が持つ魚の隣には、種類の違う魚がまだ何匹かいた。
「普通に捌けばいいの? なんだっけ、三枚卸しだっけ?」
「できるのかい?」
明の叔母も驚いたように言う。
「そっか、あんたバイト先居酒屋だもんね。魚捌いたりもするん?」
「……いや、ちょっとだけだけど。お客さん少ない時とか、店長が遊び感覚で教えてくれたんだよ。そんな上手くはできないけど」
さらに訂正すれば、居酒屋でバイトをしていたのは二年も前の高校一年の時だった。手順をなんとなく覚えている程度だ。
「助かるわー! 明に教えてって頼まれたはいいけど、センスもないし進まないしどうしようかと……」
「もう、叔母ちゃん余計なこと言わないでってば」
「魚多すぎるから、使うもの以外は冷凍しといたから、明日の夜使ってもいいし余ったものは分けて持ち帰りな。ごめんね、私はちょっと別のことしてくるから、なんかあったら呼んでね」
「はーい」
明の叔母は丁寧に頭を下げ、台所を出ていく。宵も会釈で見送った。

