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Memory of Night 2
第17章 台風接近

もちろん、その時彼女ができたばかりで浮かれていた大山は、異性として明を意識することはなかったが。
一度意識してしまうと、何もかもが気になってしまい自然な会話すらできない。我ながら恋愛に免疫が無さすぎると自覚しつつも、どうしようもなかった。
普段なら特に気にならない沈黙が、今は余計に大山の心拍数をあげていた。
ガムテープを剥がす音だけが室内に響く中、ふいに明が言う。
「なんかこの感じ、文化祭思い出すよねー」
「そ、そうだな」
同じことを考えていたとわかり、大山はどきりとした。
「はちゃめちゃやって楽しかったよねー! うちの高校自由度高いよね、そういうとこ。ま、宵にはちょーっと、申し訳なかったけど」
悪ノリの結果と言ってしまえばそうだが、クラスの出し物がコスプレ鬼ごっこに決まり、宵は無理矢理鬼役をさせられてしまった。メイドの格好で一日の大半を隠れて過ごさなければならなかったのだ。
そんな状況もあり、せっかく二年に一度しかない文化祭もほとんど楽しめなかっただろう。
「まあ、いいんじゃないか? 似合ってたし」
「ねー! 美少女だったよねー! もともと顔がいいのもあるけど、嫌がるあいつを二時間も早く来させて、真剣にメイクした甲斐あるわ」
「……そんな早くから?」

