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Memory of Night 2
第19章 夏の思い出

明は言葉に詰まる。
何も返せないまま、顔を伏せてしまう。照れているような、戸惑っているような、どちらともつかない反応だった。
がつがつと聞くのも不躾な気がして、宵はまた話題を変えた。
「そういえば、体調は平気なのか?」
「え? ああ、全然大丈夫ー。宵は?」
「筋肉痛くらいかな」
「あ、それはあたしもある」
明は苦笑した。
それから明も宵の隣に腰を下ろし、躊躇いがちに聞いてきた。
「ねえ、彼女さんのどこが好きなの?」
「は?」
「ギャンブルも酒も煙草もするってことは相手二十歳以上でしょ? どこで出会ったわけ? あー、出会った場所はいいや、どういうきっかけで好きになったの? どこが好き? どれくらい好き?」
「なんなんだよ、急に」
「いいじゃん、あんただってあたしにいろいろ聞いてきたでしょ! 教えなさいよーっ」
「……やだ」
教えるも何も、春加とはもちろんそんな関係ではないし、好きだと思ったこともないのだから話しようもない。
「けちー! 昨日も言ったじゃんっ。恋愛感情がどういうものかわからないんだよ。教えて!」
「無茶言うな、人から教わるもんじゃねーんだよ! 調べろっ」

