この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Memory of Night 2
第19章 夏の思い出

正直、調べることでもないような気がしたが、明は真剣な顔でスマホをポケットから取りだし、調べ始めてしまった。
「『恋をした時に芽生える感情』……だって」
「わかってるよ、そのまんまじゃねーか」
宵の指摘に、今度は隣で頭を抱えてしまう。
なんだか発狂でもしてしまいそうな様子だった。大山の気持ちを知ってしまい、だいぶ困惑しているんだなと言うのが伝わり気の毒にも思えた。
だが、昨日の抱きしめられていた様子や海からの帰り道での様子、今までの学校でのやり取りを見る限り、決して迷惑そうに思っているようにも見えないのだ。
「……そんな真剣に考える必要ないだろ」
「……何そのチャラ男発言」
明に睨まれる。
「別に大山に対してじゃないって。恋愛感情がなんなのか、そんなの真剣に悩まなくていいだろって言ってんの。ーー昨日、大山に抱きしめられてヤだった?」
「え……っ」
宵の質問に、わかりやすいほど明は顔を真っ赤にした。
「や、ヤじゃないけど」
自分を心配しての咄嗟の行動は嬉しかったと小声で言った。
「なら、まずは友達から付き合ってみればいいじゃん。アリなんだろ、そういうの」
「別にナシとかじゃないけど……っ。そもそも告られてないんだって!」
「あー……」

