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Memory of Night 2
第19章 夏の思い出

大山は目を見開いた。下に人陰を二つ見かけたからだ。
玄関口とは違う方向になるので、普段あまり客は通ることのないであろう裏庭。そこの花壇に腰掛け、話し込んでいるのはーー。
「……宵と、明?」
なぜ? という疑問が瞬時に浮かぶ。
なぜ二人きりで外に?
宵は晃と食器を片付けに厨房に行ったのではなかったか。晃も一緒だったはずなのに、なぜ宵と明二人だけなのだろう。
見える角度的に、明の表情は見えた。楽しそうに笑ったり、スマートフォンを真剣に見つめたり、照れたりしている。
宵の表情は見えない。
どんな話をしているのか気にはなったが、さすがに声までは聞こえなかった。
二人の姿を眺めていた時だった。
ふいに宵が、明の腕を引き寄せた。二人の体が酷く密着する。
「はあっ?」
大山は思わず窓に両手を添えて裏庭の二人を凝視していた。
抱き寄せたようにも、耳元で何かを囁いているようにも見えた。
「なんでだよ……っ」
苛立った声が無意識のうちに漏れ出ていた。
宵には彼女がいるような感じだったし、何よりも自分の気持ちを知っているはずなのに。
大山の恋愛相談に乗ってくれて、明のことを聞き出す協力もしてくれた。
そんな友人が、なぜ明に手を出そうとしているのか。

