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Memory of Night 2
第4章 新たな波風
翌日。
(たく、晃のやつマジで容赦ねーんだからっ)
宵は憤慨していた。
腰から下に残る鈍痛と、歩いて擦れるたびに体内(なか)に違和感があった。首や胸元近くには赤いキスマーク。おまけに手首にも、ティーシャツで縛られた時の跡が残っている。縄や紐から比べれば薄いけれど、学校でそういった痕跡を隠すのにだいぶ苦労したのだ。
結局昨日はあのまま三時間以上ベッドにいた。そのまま少し眠ってしまっていて、起きた時には晃が夕飯を作ってくれていた。
野菜スープとオムライス。
「簡単に済ませちゃった」
そう言っていたけれど、味はとても美味しかった。
そのあと二人で遅い夕飯を食べた。晃はバイトの件には何も触れなかった。
それも宵は気に食わない。
あからさまに独占欲を剥き出してくるくせに、やめろとは言わない。直接言えばいいのに。好きなように抱くだけ抱いて、欲求を満たしたら終わりなのだろうか。
結局今日も普通にバイトに来てしまっていた。
今はブース内の片付けをしている。ブースと言ってもネカフェのようにしっかりと設備が整ってるわけではない。二畳ほどのスペースで、簡易なソファーとテーブル、ティッシュやコンドームなどの消耗品やおもちゃなどが置いてあるだけだ。ローズにはこういったスペースが、多少のコンセプトは違うけれど三つある。