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Memory of Night 2
第24章 姫橋祭

「まーな。俺もしねーとなー、勉強」
「急にたくさんやっても疲れちゃうから、少しずつ勉強時間増やしていった方がいいかも」
「……そんながっつりやらなきゃダメなとこ目指さねーよ」
宵は苦笑する。
「なあ、忙しかったら別にいいんだけど……」
宵はそう前置きして、聞いた。
「三十一日も予備校? 祭行かね?」
「ああ、姫橋祭か。今年は平日だもんな。予備校だけど、お休みするから大丈夫」
「……いーよ、休まなくて。明達と海行くのでも休ませちまったし。夜だけでいいじゃん、花火見たい」
「ーー宵」
「ん……っ」
唐突に、口付けられていた。ソファーに背や頭を押し付けられ、両手に指を絡められる。
「いきなり……っ」
再び唇を塞がれる。今度は長くて深かった。
晃の肉厚な舌が口腔内に滑り込んできて、奥まで蹂躙される。
性急に求められることは今までにだって幾度もあったが、今日はやはり少し様子が変だった。
「宵。抱いていい?」
切なげに名を呼ばれ、そんなふうに懇願されるとあそこがずくんと疼いた。
「……ならベッド。ここじゃやだ」
珈琲のあとのキスはほろ苦く、どことなく宵の心を不安にさせた。
その気持ちを振り払うように、宵はそう返して隣の寝室に視線を向けたのだった。

