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Memory of Night 2
第27章 コンセプト

ーー時刻はちょうど零時をまわろうかという頃だった。
宵のアパートの一室は、まるで取調室のような重い雰囲気になっていた。
ソファの端と端に宵と春加が座り、テーブルの反対側に晃と亮が座っていた。ソファー以外に座椅子が一つしか無いので、それを亮に譲り、晃はカーペットの上に直に座っている。
ここが取調室なら、今取り調べを受けているのは春加だ。
「だーかーら、さっきから言ってるじゃん! シャワー浴びて出てきたら、いきなり押し倒されて、晃が来る前に一発やらせろって無理やり……。まったくもう、そんなつもりで来たわけじゃないのに」
嘘八百な春加の主張に、宵は逆に呆れてしまう。
「あんた本当に、よくそんなデタラメな話つっかえずに言えるよな……」
「事実ですけど」
その一言とともに、春加はウイスキーを一口煽る。
今日も酒を持参し、ストレートで飲み始めてしまった。
「ーーへー」
(怖……っ)
宵は晃の様子に身震いする。
相槌には抑揚がなく、表情もまるで能面でもかぶっているかのように無だ。
まさか春加の話の全てを鵜呑みにはされないと思うが、最高にタイミングが悪かったとは思う。

