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Memory of Night 2
第28章 独占欲

アパートの浴室は狭い。湯船は足をぎちぎちに曲げてようやく二人で入れる程度だし、洗うスペースだって二人並んで洗うと手や腕が当たってしまうくらいの広さしかない。
宵も晃もほとんどシャワーのみで、湯は張らないことが多い。
今日もそうだった。だいたい晃は先ほどシャワーを浴びたばかりなのだ。髪だってまだ乾いていないうちから、なぜまた一緒に入ろうとするのか。
「湯、溜めていい?」
「……別にいいけど」
風呂掃除は晃が担当している。というより掃除は全て晃がしてくれているし、さらにいえば晃が塾で遅くなる日の夕飯作り以外の家事はほぼ晃がしてくれている。文句などつけようもなかった。
蛇口を捻り浴槽に湯を溜めながら、晃はじりじりと宵ににじり寄ってくる。
「今日は俺が洗ってあげる。宵の体、全部」
「自分で洗うって!」
「心配しなくても、ただのエッチなサービスだから安心して」
「……っ」
それが嫌だと言っているのだ。エッチなサービスだからこそ頑なに拒否しているのに、そんなのはおかまいなしに晃はシャワーを手に取り、挑発するように笑った。
「ほら、宵はこれで苛められるの好きだろう? それとも俺に洗うとこ見られる方が興奮する? 恥ずかしいのも好きだもんな」
「好きじゃな……んっ」

