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Memory of Night 2
第4章 新たな波風
「あの人、何歳?」
「……さあね。俺が知るわけないでしょ?」
晃は苦笑した。
この話題はここで一旦お開きになった。
食事も終え、宵が自分の食器を持って席を立った時、晃が思い出したように言う。
「そういえば、来週の面談宵は何曜日の何時になったの?」
「あー……忘れてた。三者面談だっけ?」
「うん」
ゴールデンウィーク前にその話があり、確か今週始めに時間割も配られた気がする。
食器を一旦テーブルに置きなおし、宵は学生鞄を漁ってプリントを探した。
「来週の火曜日。五時から。おまえは?」
「俺は木曜日の四時半」
来週は三者面談があるため、授業も少し早めに終わるはずだった。
晃はわずかに躊躇してから、気にかかっていたことを聞いた。
「志穂さんには来てもらうの?」
「……もらうわけねーじゃん。進学するわけじゃないし、面談で話すことなんてそんなないし。いーよわざわざ」
「そっか……」
晃が予想した回答ではあったのだが。
「食い終わった?」
「ああ、うん。ごちそうさま」
宵は晃の分の食器もまとめてキッチンへと持っていき、水に浸けた。
ここまでは宵の分担。洗うのは晃だ。
「晃ー、先風呂入っていい?」
「え、一緒に……」
「入んねーよ、ばーか」
一緒に入ったら、また今日もすることになりかねない。さすがに連日は身体が辛かった。
「冗談だって。どうぞ」
晃はスマホ片手に答える。宵は逃げるように浴室に向かうのだった。