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Memory of Night 2
第4章 新たな波風
「知り合い……なんだな」
遅い夕食をとりながら、宵がつぶやく。探るように晃に視線を向けた。
ちなみに今日はしょうが焼きだ。もちろん晃の手作りで、言わずもがな、美味しい。
「知り合いっていうか、俺があの店に行ってた頃からあそこで働いてたんだよ。覚えられてるとは思わなかったけど」
「ハル姉、なんて馴れ馴れしく呼んでたくせに」
「その呼び名しか覚えてないんだよ。そう呼ばされてたから」
「ふーん」
宵はそれ以上何も言わず、黙々と夕食を食べている。
それは、宵が納得していない時によく見せる態度だ。
「……本当だよ。ポールダンスのショーに出てたのを何度か見たことがあるくらい。俺を誘っていた先輩が彼女と仲が良くて、彼女がいる日を狙って入店してたから覚えられてただけだと思う」
ポールダンス。そういえば今日のショーもポールダンスで、披露している双子の女の子たちは春加の知り合いなのだとマスターである亮は言っていた。春加自身がポールダンスをしていたのなら、年が離れた知り合いがいても不思議じゃない。
「ポールダンス、ねー」
春加の外見を思い返す。確かにスタイルは良かった気がするが、目の周りを黒く縁取った威圧的なメイクの方が先に浮かんでしまい、あの双子のポールダンサーのようなセクシーなダンスをしている春加をなかなか想像できなかった。