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Memory of Night 2
第30章 花魁ショー

ステージには三人の女性がいた。真ん中で一際華やかな着物を身に纏っているのがアメリアだろう。金色の髪を結い、白い肌に蒼い瞳。そこは普段のアメリアのままだったが、メイクは何倍も艶やかだった。長いまつ毛や赤や紫などの色味の強いアイシャドー。毒々しいほど真っ赤な唇も、どこか妖艶だった。
肩や鎖骨が剥き出しの着物は赤かった。そして帯の結びが背中ではなく胸辺りで、分厚い下駄を履いている。
不思議なデザインだった。
「なんか、変わった着物だな……帯が前?」
「花魁だからね」
「そもそも、花魁て何?」
「……ああ、そこから?」
晃はくすくすと声を潜めて笑った。
「知らずに嫌がってたのか」
笑われてむっとはしたが、実際よくわからなかった。その単語を聞いたことくらいはあるが、具体的なイメージは何もない。艶やかな着物を着た女性、という大雑把な想像しができない。
「まあ、俺も一般的な知識しかないけど。ーー花魁ていうのは、平たく言うと位の高い遊女のことだよ。お金を貰って男の相手をする人。娼舘てわかる? そこで暮らしながら、毎日芸を披露したり、夜を共にする職業というか。吉原って知名、聞いたことない?」
「あー、あるような無いような」

