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Memory of Night 2
第5章 進路

もし宵の母親がまだ大病を抱えていたとしたら、進学など進めなかっただろう。
「……大金払って大学行って、何すんの? 学びたいこともないのに。そんなのいいから早く自立したい」
「遊ぶんだよ」
倉木は少し笑った。
「よし、ここからは建前とか抜きにして、本音で話すわ」
「……本音?」
宵は顔をあげ、怪訝な顔で首をかしげた。
「大学はね、とりあえず行っとけばいいんのよ。学部にもよるけど、レポート出して単位だけ取ってれば卒業できるから。それだけで、将来的なお給料も変わってくる。ぶっちゃけ先生も教員免許取るので大学行ったけど、実習がない期間は飲みに行ってばっかだった」
「……へー」
わずかに宵の表情が変わる。さっきまでは聞き流すだけだった話に、少しは興味を持ってくれたのだろうか。
「先生的には、大学生って一番自由な身分だと思ってる。学生のうちは大人に管理されることが多いでしょ? あれはダメ、これはダメ、うるさいし。大人になって仕事始めると、今度は責任を負わされることが増える。例えばさ」
倉木は少し声を潜めた。
「私が去年の夏、君に手を出したことがバレれば、もう即この学校から追い出されて下手すると捕まる」
「あー……あったねそんなこと」
宵は苦笑した。
「先生じゃなくて、俺が手を出したんだよ」
「拒否らなかったからね、まあ同じようなもの」

