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Memory of Night 2
第33章 撮影旅行前夜

男なのもいい。変な輩に絡まれづらいし、もしもの時に、女性よりは自衛ができるだろう。だが。
「ーーそれだけじゃないんだろう?」
亮の問いかけは続く。
「嫌いな女の子供をなんで連れてきたの? 不快なだけじゃないの? 思い出すだけで感情的になって、八つ当たりまでして、それでも手放さないのはなぜ?」
「なんだそれ。別に手元に置いてるわけじゃないだろ。あんたこそ、嫉妬?」
聞きながら、すぐにありえないと心の中で首を振る。亮が自分のことで誰かに嫉妬なんてするはずがない。
そういう関係にあった時ですら、嫉妬なんて感情を垣間見たことはなかった。
いつだって穏やかに、自分の望みをただ受け入れてくれていただけだ。店に関わること以外で、亮から何かを求められたことなど一度もなかった。
もし一度でも、亮の取り乱した態度が見れたら、死んでもいい。セックスよりもずっと満たされる気がした。
「そうそう、嫉妬かな」
「嘘つけ」
子供をあやすように言う亮に、春加は冷たく言う。
「……もう寝る」
「うん、おやすみ」
時間を見れば、三十分近く通話していた。
通話を切ろうとした時、言い添えるように亮が言葉を発した。

