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Memory of Night 2
第35章 同室者

男女で別という修学旅行みたいなこだわりもないなら、宵と晃、亮と春加で同室にすれば済む話だ。春加の車のスペアキーまで共有するような仲なら、部屋が同じでも問題ないように思えた。
そこをわざわざ入れ替えた理由が晃は気になった。
ケトルが沸いた。珈琲カップ二つに交互に湯を注ぎながら、特に言い訳を探すこともなく、亮は答えた。
「宵くんがそばにいると、ハルちゃんが取り乱すから。……普段見れない彼女が見れて面白いから、二人を同室にしただけ」
「悪趣味ですね」
つい、本音を呟いてしまう。亮は喉の奥で笑った。
温かい珈琲をテーブルに置き、砂糖とミルクの入った小さな器もテーブルに置きようやく腰を下ろした。
「どうぞ」
「……いただきます」
ブラックのままカップを口に運ぶ。受験勉強中は眠気覚ましでよく飲んでいたので、無糖に慣れてしまった。珈琲は香りも良く、美味しかった。
亮も珈琲を口に運びながら、続けた。
「今日も、宵くんの一言で酷く動揺していたね」
ウィッグを被った直後、母さんに似てるか聞いていた。それだけで、わかりやすいほど取り乱していた。
「宵の母親とハル姉の間に何があったのか、あなたも知らないんですか?」
亮は無言で首を振る。

