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Memory of Night 2
第35章 同室者

あの部屋にいるのも不快で、宵を置いて部屋に戻ってきてしまった。撮影部屋を出る時の、宵の心細そうな顔が脳裏にちらつく。それも、強い独占欲の裏返しだった。
おもいきりぶちまけるとスッキリする。
亮は一瞬ポカンと細い目を見開いていたが、唐突に噴き出した。
腹を抱えて笑い出す。
「いやあ、もうド直球だね! いいなあ、その思ったまんまをためらいもなくぶちまけられる感じ、学生っぽくてすごく憧れる!」
「……学生なんで」
憮然と答えると、亮はさらに盛大に、はっはっはっ、と笑った。
「そうだったそうだった。二人とも見た目大人っぽいからね、つい高校生ってこと忘れちゃう。宵くん恋人に愛されまくりで羨ましいね」
ひとしきり笑い、ふう、と亮が一息ついたタイミングだった。
亮のスマホが一瞬鳴る。続いて晃のスマホのバイブも震えた。
どうやらメールらしい。
「ーーおや」
開くと春加からで、二人にきた内容は同じだった。文字はなしで、画像だけ三枚添付されている。
開くと、全て雪の化け物姿の宵だった。正面、横顔、全身の三枚。
部屋を暗めにして撮られたものらしい。
衣装とメイクはとてもよく似合っていて、伏せ目がちにこちらを見つめる瞳に晃はぞくぞくした。冷たい眼差しは、氷の世界がよく似合う。けれど目の下に差した朱色は妙に艶っぽくて、不思議な魅力に溢れていた。

