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Memory of Night 2
第35章 同室者

「おい、こんな場所で……」
「じゃあこっち、入って」
廊下で抱き合うのは確かに人目が気になる。
晃は宵を部屋に連れ込み、ドアを閉めた。
まだ宵の髪はしっとり濡れていた。洗い立てのシャンプーの香りがする。
「いい匂い……」
「かぐな変態……っ」
髪に鼻をつけると、すぐさま押し返される。
「じゃあこっちから」
髪からの充電は拒否されてしまったので、晃は替わりに、宵に口づけた。唇全体を舐め上唇をついばむと、それだけで宵の肩がぴくっと反応する。
うっとりと細められる灰色の瞳。さらに深く貪りたい衝動にかられ実行しようとするも、今度は胸を押して拒まれる。
「……同室のやつ、いるんじゃねーの?」
「寝てる、そこで」
ソファーを指さす晃。スーツの上着だけ脱ぎ、規則正しい寝息を立てている亮の姿を視界に捉え、宵は納得の表情を浮かべた。
「やっぱ、マスターとか」
「部屋割決めたのこの人みたい」
「そうかなって思ったよ。春加じゃねーっていうし」
春加の名前に、つい反応してしまう。
「……ハル姉は部屋?」
「知らね。さっき戻った時は居なかっ……んう」
自分から聞いておきながらせっかちだとは思うが、晃は宵に最後まで言わせず、再び口づけていた。薄く開いていた唇の隙間から、舌を押し込む。

