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Memory of Night 2
第6章 呼び出し
「こちらへどうぞ」
そのまま春加に案内され、広い部屋に通される。一番手前のテーブルに案内された。テーブルと行っても何種類かあり、椅子がソファのもの、ソファではないが四席分の椅子があるもの、椅子が無く、足ったまま利用する少し高さがあるテーブル。晃が案内されたのは、普通の椅子で座れるところだった。
「ご丁寧に、どうも」
「こうして見るといい男になったねえ。是非うちで働いてもらいたい」
「お言葉は嬉しいんですけど、今年受験なんで」
「はいはい。この前聞いたよ」
春加は笑って会釈した。
「あ、何食べたい?」
「メニュー見てゆっくり決めますので、お構い無く」
春加はもう一度頭を下げ、カウンターへと戻っていった。
晃は店内を見渡した。向かって左にカウンター、正面の奥にステージ、真ん中は丸いテーブルが間隔を空けて並べられている。
店内は薄暗く、赤く光るライトが両サイドの壁にかかっている。BGMは小さめで、ジャズ。薔薇をモチーフにしたライトや飾りも幾つか見え、なんともいえない卑猥な雰囲気だった。
ここからだと見えないが、作りが変わってなければ部屋の右奥にはブースで仕切られた部屋もある。晃は昔訪れた時の記憶を辿った。