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Memory of Night 2
第37章 パンドラの箱

 桃華と千鶴。二人は東北の片田舎で産まれた。父は町工場を営んでいて、従業員は母も入れて五人のみだった。共働きとなんら変わらず、父も母も朝から晩まで忙しく働いていた。
 千鶴が物心ついた時から、いつもそばには姉の桃華がいた。桃華とは十個歳が離れている。千鶴が小学生に上がった時すでに高校生だった桃華は、仕事で忙しい両親の代わりに、よく学校まで送ってくれた。特に雪の降る季節はいつも、桃華の背を追って小学校に通っていたのを覚えている。
 桃華はただ歩いているだけで、人目を引いた。美しい黒髪、雪のように真っ白な肌、まるで精巧な作り物のような整った顔立ち、灰色の瞳。両親のどちらとも似ておらず、必然千鶴とも違った系統の顔立ちをしていた。
 片田舎にはふさわしくない桃華の完成された容姿は、いつもすれ違う人々を魅了していた。道を歩くだけで、二度見三度見されていく。そんな桃華は幼い千鶴にとっても印象深かった。綺麗な桃華の一番近くにいるのは自分だ。あの頃はただ単純に純粋に、面倒見の良い綺麗な姉が好きだった。
 桃華は千鶴の自慢の姉だった。
 少しずつ、千鶴の心に別の感情が入り込んで来たのは、小学校中学年くらいの時だ。きっかけは、桃華自身に対するある違和感だった。
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