この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Memory of Night 2
第38章 救援

 まだ笑っている。
 一瞬だけ浮かんだ彼女の面影を、千鶴は振り払った。
 それから、ずっと疑問に思っていたことを聞いた。

「……おまえさ、今の状況で、なんでそんなヘラヘラ笑ってられんの?」

 この穴で目覚めた時からそうだった。宵は妙に冷静で、平気で洞穴を出てからのことを口にする。
 千鶴の意識がない時から、自分やアメリアの荷物を漁り、自力で出るために壁に穴を開けようとしていたならわかるはずだ。それがどれほど無謀なことか。自分たちにはどうにもできない現実を、突き付けられたはずだ。
 どうにもならないと諦めたから、今隣に座って昔話なんかさせられているんじゃないのか。
 そんな状況でなぜ、脱出できたあとの話を平気で口にできるのか。笑って冗談が言えるのか。

「焦ったってしょうがねーじゃん。待ってりゃそのうち助けが来るだろ」
「……こんな山奥じゃ、いつになるかわかんないだろ。きたところで、車で入ってこれない急な斜面を登らなきゃ辿り着けない場所だ。結局人力で掘り起っていくしかない状況で、何時間かかるかわからない」

 それほど時間がないことくらい、この少年にも理解できているだろう。
 どうにもできないまま、酸欠で死んでいく少し先の未来が容易く想像できた。
/836ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ