この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Memory of Night 2
第39章 幸福の形

 窮屈な暮らしを受け入れて、工場を継ぐとまで言ったのに、三十間近で出ていってしまった。もう、二度と帰ってくることはないだろうと思った。
 あの夜桃華が自分のところにだけ寄ったのは、きっと引き止められるのが嫌だからという理由だけではない。親に言えば家を出る理由を聞かれる。本当の気持ちを話したところで、理解してもらえないと勘づいているからだ。いや、理解しようとすらしてくれないかもしれない。
 結婚して、子供を作ること。家庭に入ること。それが唯一の女性の幸せだと信じて疑わない両親に、桃華はずっと本当の気持ちを打ち明けられず、押し込めてきたのかもしれない。
 まだ千鶴の方が、意思を汲み取ってもらえると思ったんだろう。だから最後に部屋に来た。だが、千鶴が桃華に抱いていた気持ちも、ずるくて汚いものだった。
 両親の話を聞きながら、千鶴は桃華を『可哀想』だと思った。親にすら理解されない孤独な姉。でも同時に『優越感』も感じていた。
 姉より自分の方が、周りから愛される人間になれる。桃華なんかより、もっと上手く生きていける。
 両親が望むように、結婚して、子供を産み、温かい家庭を作る。女性としての幸せを手に入れてみせる。
 姉の居なくなった家で、千鶴は決意した。
/836ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ